皆さんは、大和市にある「ふれあいの森」を歩いたことはありますか? 先日、雲一つない快晴の下、春の陽気に誘われてお散歩してきました。今回はその様子を詳しくレポートします。 1. ふれあいの森:川辺を彩るピンクのグラデーション まず足を踏み入れた「ふれあいの森」では、今まさに 大寒桜(オオカンザクラ) と 河津桜(カワヅザクラ) が見頃を迎えていました。 鮮やかな色彩: 青空に映える濃いピンクの河津桜と、少し淡くて上品な大寒桜のコントラストが本当に見事です。 野鳥たちの宴: 桜の木々には、花の蜜を求めて可愛いお客さんも。黄緑色の体が美しい メジロ や、賑やかに鳴き交わす ヒヨドリ の姿を間近で見ることができ、自然の息吹を強く感じました。 菜の花との共演: 足元には鮮やかな黄色の菜の花も咲き誇り、まさに「春の色」に包まれた散歩道でした。 2. スカイ広場:青空に映える「大漁桜」の輝き ふれあいの森から少し足を延ばすと、開放感あふれる 「スカイ広場」 に到着します。ここで迎えてくれたのは、珍しい名前の 大漁桜(タイリョウザクラ) です。 大漁桜のヒミツ: この桜は、大島桜と寒桜を掛け合わせた品種だそう。花の色が鯛(タイ)の紅色に似ていることから、大漁を祈願して名付けられたという素敵な由来があります。 復興への願い: 広場にある看板によると、この桜は東日本大震災の被災地である宮城県女川町にも植樹されているとのこと。美しい花を眺めながら、その背景にある物語に少し胸が熱くなりました。 3. 大和ならではの「空」の迫力 スカイ広場の魅力は植物だけではありません。散歩の締めくくりには、厚木基地が近い大和市ならではの光景が! 頭上を悠々と、そして大迫力で通り過ぎていく C-130輸送機 。澄み渡るブルーの空を切り裂くようなその姿は、何度見ても圧倒されます。 今回の散歩の様子を動画でどうぞ! 写真では伝えきれない、風の音や鳥の声、そして満開の桜が揺れる様子を1分半ほどの動画にまとめました。ぜひ、一緒に歩いているような気持ちでご覧ください。 YouTube:ふれあいの森〜スカイ広場 お花見散歩 散歩の後は、心も体もすっかりリフレッシュ。 皆さんも、カメラを片手に大和市の春を探しに出かけてみませんか?
鉄の街の蛇腹(じゃばら) ― 室蘭1951 ― 第一章:潮風とアコーディオン 昭和26年、早春の室蘭。 港から吹き付ける潮風には、まだ刺すような冷たさが残っていた。しかし駅前広場には、以前のような沈鬱な空気はもうない。「第一次北海道開発5カ年計画」が産声を上げ、資源開発と食糧増産という旗印のもと、鉄の街は再び巨大な槌音を響かせ始めていた1。 その喧騒のなか、広場の隅にある古びたベンチに、その男はいた。 男は白衣に身を包み、深く軍帽を被っていた。傍らには一本の松葉杖。失われた右足の付け根から先は、虚空を指している。彼の前には、使い古された木箱が置かれていた。そこには黒い墨で、こう記されている。 「台湾・高雄 第六〇一海軍航空隊」 男の指が、アコーディオンの鍵盤を叩く。蛇腹(じゃばら)が大きく開閉するたび、深い吐息のような、あるいは咽び泣くような旋律が室蘭の空に溶け出していった。かつて空を飛ぶことを夢見たであろう男は、今、冷たい地面に根を張り、この蛇腹の震えだけで命を繋いでいた。 第二章:胎内の記憶 五歳のハナにとって、その場所は「音の避難所」だった。 ハナが生まれたのは終戦の翌年、昭和21年のことだ。ハナ自身は、あの火の海となった室蘭空襲を直接は知らない。けれど、母は折に触れてその日のことを話してくれた。 「お前がお腹の中にいたとき、お母さんはあの大砲の音を聴きながら走ったんだよ。お前はね、お腹を蹴って、一緒に戦ってくれたんだよ」 母の話を聞くたび、ハナの小さな胸には、見たはずのない「燃える空」と「大地の震え」が、おぼろげな記憶として浮かび上がる。そして、駅前で響くアコーディオンの重苦しい低音を聴くと、決まってその「お腹の中にいたときの自分」が疼きだすのだった。 ハナは、男の前に置かれた木箱には目もくれなかった。そこには時折、復興の恩恵に預かった大人たちが小銭を投げ入れていく。けれどハナがじっと見つめるのは、男の顔だった。深く刻まれた眉間の皺、そして、どこか遠い海を見つめているような、光の届かない瞳。 「おじさんの音楽、お母さんのお話に似てる」 ハナは心の中でそう呟く。悲しいけれど、どこか温かく、そして逃げ出したくなるほど怖い。 第三章:言葉なき共鳴 ある日のこと。 街には航空路線の再開を願う人々の活気が溢れ、どこか浮き足立った空気が漂っていた2。だが、男...